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北陸建築文化賞について

北陸建築文化賞は、一般社団法人日本建築学会北陸支部が、北陸・信越地方の建築文化の発展に顕著な貢献が認められる業績または建築作品に対して、その功績を称え これを表彰することにより、地域の建築文化の振興に寄与する目的で、北陸五県〈長野・新潟・富山・石川・福井〉の中から、毎年4つ選定して表彰しています。


北陸建築文化賞の選評がホームページに記載されました。

<選評>

新潟県上越市の上越妙高駅前に建つFURUSATTOは、コンテナを利用した複合商業施設であり、当初は1個のみであったというコンテナが徐々に増殖しながら、更地の残る駅前空間に賑いを創出している。コンテナ採用の経緯としては、小規模事業者の出店リスクの低減や再利用への配慮が挙げられるが、人を惹きつけるシンボル性の獲得も意図されたという。建物は、テナント等が入るコンテナ群を円弧状平面の開放的な雁木空間がつなぐ構成となっており、コンテナ同士の間のスペースも利用者の活動の場として期待されている。地域文化に由来する雁木空間は、様々なイベント等に利用され、コミュニティの形成を支える一方、手近な材料を用いた室礼によって季節ごとに異なる姿を見せ、施設全体に多様性と親近性を与えている。地方都市の経済状況の中、民間の地域に対する思いが、大資本に頼ることなく、等身大の地域拠点を実現した好例と言えるのではないだろうか。