納屋の上の住まい
長岡市の市街地からほど近い信濃川沿いにある、納屋の上に作った住まいです。
住宅と納屋、専用車庫の組み合わせは、固有の風土と、住人の技能を反映した住まい方の例として面白い試みです。テラスの照明が、農道の三叉路を照らす街灯にもなる提案は、人口が減る時代の公共と私有の問題を考える上でも示唆に富んでいます。
景観との共鳴
初めて敷地を訪れたとき、集落全体が水田に浮かんだ島のように見えました。かつて、この土地に市街化の波がおしよせた時、集落の人たちが守ることを選んだ景観でもありました。新しい建物が、かつてこの場所に建っていた古い納屋の面影を引き継ぐ事が自然に思えました。
納屋のようにおおらかな住まい
住宅部分も、あまり機能と一対一対応する空間とはせずに、納屋のようにおおらかに使える空間を目指しました。盆暮れに限らずご親戚が集まる機会も多く、そうしたイベントの時に皆が集い楽しめる場を母屋に付け加えるという考えもあり、こうした計画となりました。
未完成の自由
ライフスタイルの変化に合わせることができるように、あえて完成による不自由よりも、ハーフメイドの持つ可能性が求められました。この住宅は、過去から未来へと続いていく生活の変容を引き継ぎ、受け止めるものでありたいと考えています。
【2010年（社）新潟県建築士会 関東甲信越ブロック会 優良建築特別賞】
【新聞に掲載されました。2010/7】
【2010年度 北陸建築文化賞 ノミネート 4/14】
【住まいnet新潟 vol.15 特集記事に取材協力いたしました。2013/3】
【JIA（日本建築家協会）建築家ONLINE 2012年12月「今月のたてもの」に掲載されました。2012/12】
用途：個人住宅/納屋/車庫｜所在地：新潟県長岡市｜竣工：２００９年｜新築｜構造規模：木造２階建て｜延床面積：192.96㎡